生前に開くお別れ会

自分の死を考える人の増加に伴い、生前葬も増える


前述のKさんは最初、ひとり暮らしなので、そろそろ葬儀の生前予約をしようと、葬祭業者に見積もりを依頼しました。 しかし、親しい友人とは死んでからでは会うことができないし、年をとると体が不自由になるなど葬儀に来てもらいにくくなる ことから、生前葬を行うことを決心したそうです。 Kさんの生前葬を企画した葬祭業担当者は、「今後、自分の死に向けての準備をする人が増えるにつれ、生前葬も増えていくでしょう」と予想しています。

生前葬に招かれたら


招待状に「平服で」と書かれていたら、男性はダークスーツ、女竹は地味な色のスーツやワンピースにします。 生前葬は会費制のケースが多いようですが、会費制でない場合は「お花料」(目安は1万~2万円)を持参します。

長寿のお祝いを兼ねて


行うタイミングとしては、古希、喜寿、米寿(88歳)、金婚式などに合わせるのが無難です。 「生前葬をします」と招待されても、ほとんどの人がとまどうことでしょう。 しかし、お祝いの会ならば、気兼ねなく出席できます。 「感謝の会」などとするのも一 案です。 本人のあいさつのなかでひと一言思いを述べれば、気持ちは招待者に伝わります。 また、最後に一人ひとりと掘手して、ていねいにお別れすれば、りっぱな生前葬になります。 「死後の葬儀は家族のみで」という思いがあるなら、そのことも伝えておくといいでしょう。 その会が「生前葬であった」ことは、会の最後に打ち明けるのでもいいかもしれません。

行い方に工夫を


生前葬というのは、実際行うとなると、むずかしい一面があります。 葬儀のパロディーになってもいけない、湿っぽくてもいけない、あくまで明るく、なごやかに行いたいものです。 招かれた人がとまどったり、困ったり、よい気持ちがしない会では、行う価値がなくなってしまいます。 場所はホテルかレストランで、会食をしながらというのが一般的です。 祭壇を設け、遺影を飾って本当のお別れ会のようにするケースもありますが、一般のパーティーのような形で行う人も多いようです。

生前葬は一種の告別式


「生前葬」というのは、まだ生きているうちに自分の葬儀をして、世話になった人たちにお礼を言い、お別れをするもの。 生前に行うお別れ会です。 葬儀・告別式のうち「葬儀」は、故人の魂をあの世に送る宗教儀式、「告別式」は、知人・友人が故人に別れを告げる儀式で す。 生前葬というのは、いわば告別式の一種といえます。 普通は葬儀→告別式という順序で行いますが、生前葬は、告別式だけ先にしてしまうものです。 ですから実際に亡くなったときには、葬儀だけが行われます。 友人・知人とのお別れはすんでいるので、葬儀は身内だけの「家族葬」や「直葬」を考えている人がほとんどです。 一般に生前葬には、古希(70歳)、喜寿(77歳)などの長寿を祝う要素も合まれています。 たとえば、Mさんの生前葬は、第1部が葬送で、第2部は復活祭でした。 どちらかといえば、「生の自覚」が強く感じられる生前葬で、長寿儀礼的要素が大きいものでした。 一方、Kさん(剖歳)の場合は、がんを宣告されたあとの生前葬で、明るいなかにも「死の自覚」がありました。 「お別れ」を中心においたものといえるでしょう。 生前葬には、この2つの傾向がみられるようです。